リレーの結末

幼稚園の運動会。今年は学年別に45分の入れ替え制で実施することになり、親子競技もお弁当の時間も無い。
なんとも寂しい運動会だが、「保護者は1人まで」という学校もあるようなので、2人まで参加できるうちは恵まれているのかもしれない。当然、プログラムも少なくなっているので、メインは「クラス対抗リレー」になる。


しかし、事前のリレーの練習では、娘のクラスは連戦連敗で、いつも最下位。

ある日、「1位になった!」と言っているので、なんでそうなったのかと聞いてみたら、他のクラスがゴール後に騒いでいて、先生の注意を聞かなかったので最下位にされ、娘のクラスが繰り上げ1位になったらしい。なんだそれ。それで喜んでどうする。

「(強いクラスが)バトンを2回も落としたの!」と言う日もあった。それでも娘のクラスは最下位。
そんなことあるか?弱すぎるだろ。どうなってんだ。

だから娘はいつも「絶対勝てないよー」と嘆いていた。

親としては「リレーは何があるかわからない。転んでも、バトンを落としても、最後まで絶対にあきらめないで走ること」と言い続けるしかないが、正直、きびしいと思っていた。転ばずに走ってくれれば…と。

ところが、運動会の前日練習で「1位になった!」と喜んでいる。
どんなカラクリかはわからないが、本当に勝ったらしい。何があった?たまたまだろうなぁ。

同じクラスの子は「最近、太ってきたのでからあげ1個にしとく」と言っていたようだ。かわいい。


迎えた当日。
娘はぶどう組なので、パパはぶどう色のTシャツ(マサ斎藤)で出陣。Go For Broke!
同じクラスのお母さんたちから、ぶどう色のマスクと応援グッズを渡される。一致団結!

まわりのママさんたちは「声出して応援しちゃダメなんだよねー」とか言いながら、自分の子供が出てきたら「がんばれー!」と応援してる。しかし、リレーの話になると「昨日、初めて勝ったんでしょ?」となる。どの家庭も一緒だな。

さぁ決戦だ。

娘のクラスは… 惜しくも2位。

途中まで1位だったし、本当に惜しいと思った。どうやらバトンの練習を頑張ったみたいだ。幼稚園児なので、どうしてもバトンパスのところがグチャグチャっとなるのだが、その団子状態から抜け出してくるのが、いつもぶどう組だった。

2位なら頑張った方か… と思っていたら「アンコール!」の声! 毎年恒例のようだが、2回戦をやるらしい。リベンジのチャンス!


スタート前の作戦会議で「ぶどう組は後ろを振り返る子が多い!」と注意されている。
確かに!! うちの娘も後ろを気にしていた。名参謀がいるな。ぶどう組には。

いざ最終決戦!

娘のところにバトンが渡った時点で1位!見てるこっちの方が緊張するわ。そして無事に1位のままバトンを渡す。
なんならちょっと差が開いた。やればできるじゃないか。

そして、ぶどう組は1位でゴーーール! 勝ったーーーーーー! 参謀は泣いている。


練習でずっと勝っていたクラスは、1回戦も2回戦も最下位になってしまった。
正に「ウサギとカメ」で、頑張ったら最後に報われることもあるし、勝てるだろうと思っていると足元を掬われるということだ。

時間は短くて残念な気持ちもあったが、幼稚園最後の運動会は娘にとって良い教材となった。