【書評】中野正彦の昭和九十二年/樋口 毅宏

【書評】中野正彦の昭和九十二年/樋口 毅宏

中野正彦の昭和九十二年 読了

ヘイト本だと言われ、発売とほぼ同時に回収、発売禁止となり、今回、改めて別の出版社から発売された作品。

発売禁止になったから読んでみたのではなく、樋口毅宏 の作品は全部読んでいるので、読めるようになって単純に嬉しい。

そして、これがヘイト本か否かという話になるのだが、表現や様々な描写は読んでいて気分が悪くなるが、
これでヘイトが助長されるとか、差別が広がるということは無いと思う。

差別主義が進んだ場合に想定できる最悪の未来を書いたもので、警鐘を鳴らしているものだと理解した。

何でもかんでも「表現の自由」で片づけてしまうのは好きではないが、これを発売禁止にするのは違うでしょう。

最近は、ネット検索でGoogleが上位に表示するのは、きれいなものというか、整ったものに偏っていて、どうにも気持ちが悪い。これこそ、表現の自由を奪っているようにも思う。インプレッション目当て、炎上目的のクソ記事は無くなればいいと思うが。

むしろ、ヘイト表現よりも、文中に出てくる実在する人物のセリフとか、そっちの方が危ないのではないかと思った。名誉棄損で訴える人がいてもおかしくない。いくら「実在の人物とは一切関係ありません。フィクションです」と言っても。

また、差別表現よりも、群集心理の怖さというものを改めて認識。
世の中が全員同じ方向を向いている時こそ、何かよからぬことが起きているように思う。

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なし